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2025年共通テスト 化学の分析報告です。

本日はSTUDY STUDIOのホームページをご覧いただき誠にありがとうございます。
2025年共通テストの化学の分析報告をさせていただきます。

当校の共通テストの分析は「来年の受験対策」を主軸とした分析となっております。
過去の問題と比較した今年の出題傾向の分析は学力に影響を与えない為、学力に影響を与える情報を提供したいと思います。

今年の問題は全5題で、第5問と第6問は新課程・旧課程履修者で選択が異なる問題ですが、異なる問題は小問1題のみでした。

第1問は小問集合です。
問1はイオン結晶を選ぶ、つまり「金属+非金属」で結合している分子を選べば答えは⓶酸化マグネシウムとなります。
問2は実在気体と理想気体に関する問題です。理想気体に関する情報として「高温・低圧」、「分圧比=体積比」から実はⅠ~Ⅲ全て正解です。
問3はヘンリーの法則の問題です。求める物理量をパラメータ表示して解けば計算に時間はかかりますが、⓹の答えにたどり着きます。
問4はコロイド溶液の問題です。ここでは消去法を用いた方が良いでしょう。⓷は電気泳動、⓸はブラウン運動、⓹はチンダル現象です。
問5と問6はやや難しい問題です。
問5は蒸留に関する問題で特定の温度に行ける飽和蒸気圧を用います。グラフから圧力を求める問題ではないので安易に考えると間違えてしまいます。
問6は浸透圧の問題です。水の体積をパラメータ表示して塩化ナトリウムが半透膜を通過した後に対してファントホップの法則を用いれば求まりますが、計算が合わずに焦るかもしれません。こういう時はは時間を十分に取って丁寧に計算しましょう。
ここで出題されていない「溶解度」と「凝固点降下」について、来年の対策として先に勉強していくと良いかと思います。
圧力に関する問題は必ず出題されて、今年の問題と真剣に分析して思考内容を纏めれば応用力も身に着くので十分に対策として活用できます。

第2問は主に平衡に関する問題です。
「主に」というのは問1と問2は閉校の問題ではないからです。
問1は化学発光の問題です。⓷は波長の違いによって生じる物理現象であるから化学発光ではありません。
問2はニッケル・カドミウム電池の問題です。半反応式を1つの式にして物質量からみずぶんしの消費量を求めるのは難しくありません。
問3は体積変化によるpH変化に関する問題です。例えば初期に体積の10倍の体積まで水を加えた時の水素イオン濃度からpHを求めるという方法もありますが、「1価の弱酸HAのpHが4.0」という条件から「ここに水を加えて希釈してもpHは過度な変化はしない」という事が解りますが、これを顕在的に理解できている受験生はあまりいなかったかもしれません。
これが解れば容易に⓸を選べるのですが、pHが顕著に変化するのであれば⓷を選んでしまいます。
問4は厚栄工程数の一般的な問題です。状態方程式から圧力を求めて計算すれば求められます。
ここでcの「温度のみを100K上げる」という条件でのグラフの変化には「ルシャトリエの原理」を含めた考えによって⓸を選ぶ事が出来ます。水分子の濃度が増加すれば平衡が傾くためそれを妨げる方向に変化が移動すると解れば、アンモニアの体積は減少すると解ります。

第3問は無機化学に関する問題です。
問1の⓶のヘキサシアニド鉄(Ⅲ)カリウムは赤色の結晶ですが鉄(Ⅲ)イオンに加えると青白色ではなく濃青色の沈殿が生じます。
問2は難問です。パッと見では全て正解だからです。受験生全員が「え?誤りある??」と思ったのではないでしょうか。
誤っているのは⓷で、この選択肢には内容は合っているのですが「水ガラスを乾燥させるとに二酸化ケイ素で出来たシリカゲルが出来る」が正しい解釈です。つまり、水ガラスを乾燥させると二酸化ケイ素が得られ、それがキセロゲルであるゆえにシリカゲルであるとなる。
消去法で最も間違っていそうな選択肢を選ぶのも有効な手段です。
問3はまずア~エを埋めましょう。アは二酸化窒素、イは一酸化窒素、ウはフッ化水素、エはオゾンです。
それを踏まえて、⓶の「下方置換」が誤っていると解ります。
問4のaは消去法で、bは右辺・左辺の原子数を合わせる、Cはヨウ素の物質量から求める濃度を求めればそんなに難しくありません。

第4問はs有機化学に関する問題です。
問1は⓸の「アセトン」はヨードホルム反応をするのか、それは「メチルケトン基」を持つのでヨードホルム反応は陽性です。
問2は化学反応から化合物Aを決定する問題です。反応する箇所は「極性・π結合」が主となるので結合の腕を作る為に二重結合のπ結合が切断されると予想できます。その地点で⓹だと解ってしまいます。
問3は当とアミノ酸の知識問題。⓸フルクトースはグルコースの構造異性体です。
問4はアセチレンに関する問題でa~cの3問で構成されています。
aは知識問題で⓹「三重結合と単結合が交互に」ではなく「二重結合と単結合が交互に」が正解になります。
bは化学反応の問題でビニロンの合成経路の問題です。反応アによって化合物Bが生成する場合を考えます。
選択肢⓻以降はすべてモノマーですので、アは「付加重合」だとわかり、イは「加水分解」だと予想できます。
肝心の化合物Bですが、加水分解でヒドロキシ基になる分子は⓼か⓽のみです。これと酢酸ビニルとを比べて⓽になります。
cはアセタール化されたヒドロキシ基の割合を求める問題ですが、いったん無視をした方がいいと思います。とても時間を使っていまいます。

第5・6問も原油の燃焼熱に関する問題です。
新課程では「エンタルピー」として、旧課程では「熱量」として問題が出題されています。
問1は分流器の温度に注目しましょう。留出物Cは250℃~350℃で抽出されるので高温でエネルギーに交換される軽油となります。
軽油は高温で活性するので、トラックの燃料として利用されてます。
ガソリン(原油)は空気に触れるだけで引火する程低温で活性するので留出物Aとなり、灯油は留出物Bとなります。
問2は反応経路かの空所を埋める問題。化合物Dは触媒を用いて水素を付加するのでベンゼンがシクロヘキサン、化合物Dは熱による開環重合なので、極性を有するC-Nが切断されます。
問3のaは酸化数を求めるだけなのでとても簡単です。bはナフタレンの酸化で五員環が出来ると知っていれば⓵はすぐ解ります。
Cは異なる反応経路による熱量の違いに関する問題です。経路Ⅱは触媒を使用しているので経路Ⅰより熱量は低くなり、でもゼロではないので第6問は⓺が正解となり、第5問は⓵が正解となります。
dは意味が解らなかったが解かなくても良いと評価します。
有機化学は全体を通して「化学反応」と「物質の性質に関する知識」が大切ですので、計算問題は敢えて軽視しても8割の得点率は確保できます。

時間配分は
第1問:7分  第2問:12分  第3問:10分  第4問:13分  第5・6問:11分
の合計53分で、当校の予想平均点は54点です。
今年の化学は難易度が高いセットだったと感じます。
来年も同様の難易度のセットとなると考えられますが、難しい事を勉強する必要はありません。
全体を通じて2~3問しか出題されない難問に注力するのは時間の無駄だからです。
それよりも重箱の隅を突くように細部までしっかり知識にする学習を日頃から心がける事の方が大切です。

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